判例速報ー親の責任

  • 2015.04.10 Friday
  • 15:15
報道などでご存じの方も多いと思いますが、昨日、「子供の起こした事故に関する親の責任」について最高裁が判決を出し、法曹界でも注目されています指

事案としては、こうです。
放課後、当時11歳だった男の子がサッカーボールをゴールに向かって蹴ったところ、ボールが学校脇の道路に飛び出してしまった。そこをバイクで通りかかった80代の男性が、ボールをよけようとして転倒し、約1年半後に死亡した。
男性の遺族が賠償責任を求めて遺族を提訴した、というものです。


リラックマVer.2 皆様はどうお考えですか?

民法714条は、
〔瓜上の責任がないとされる子供が他人に損害を加えた場合、その監督者(親)が賠償する責任を負う。
△燭世掘監督義務者(親)が監督の義務を怠らなかったとき等の場合、親は責任を負わない。
とされています。
実際には、⊃討きちんと監督していたという点が認められ難いのが実情です。

しかし、今回の最高裁判例は、「直接的な監視下にない子の行動について、親は予想できない事故にまで賠償責任はない。」として2審判決を破棄し、遺族の訴えを退けたのです。
今後の流れも変える判決ではないかと注目されていますきらきら

ただし、親が子供を適切に監督しなければならないことに変わりはありません。
今回は、「校庭でゴールに向かってボールを蹴る」という行為だったので、「日常的な行為で人に危険が及ぶ行為とはいえない」とされたのです。
これが道路でのボール遊びだったらどうなのか、柵のない庭だったらどうなのか、判断は別になる可能性があります。

子供が他人に損害を与えることなど親は望んでいません。
子供が他人に損害を与えた場合の賠償に備えた保険なども備えの一つになるのではないでしょうか四葉のクローバー



 

自己破産とブラックリストについて

  • 2015.02.27 Friday
  • 14:32
カードやキャッシングの利用が重なり、いつの間にか支払えないことに。。
というご相談もよく受けますクローバー

自己破産を検討せざるを得ない状況でも、いわゆる「ブラックリストに載ること」を気にされて躊躇する方もいらっしゃいます。
特に女性は、「家族の情報までブラックリストに載せられるのではないか。」「将来子供まで載せられるのではないか。」と心配されることがあるようですDocomo88
 
指「ブラックリスト」、つまり破産した方だけを載せた名簿のようなものは金融業界には存在しません。
現在、個人の信用情報を取り扱う主な機関は、全国銀行個人信用情報センター、株式会社日本信用情報機構(JICC)、株式会社シー・アイ・シーです。
いずれも、個人の信用情報を登録し、会員である銀行やクレジット会社、百貨店等に提供しています。
ここで登録される情報とは、個人を識別するための情報(氏名・生年月日・住所など)や契約内容、支払状況(入金日、延滞の有無、完済日など)、そして破産や債務整理などの情報です。
 
つまり、この信用情報には、クレジットを利用する以上誰でも登録されますし、完済してもその事実は登録されるのですnull
そして、個人を識別するための情報とは、あくまで当事者本人であって、家族の情報はむやみに登録されません(ただし、家族が保証人になっている場合や、無収入の方が家族の同意を得てローンを利用する場合は別です)。
ましてや、未成年の子供の有無まで登録されてはいないのです!!
 
そして、情報については、情報の性質に応じて登録期間が定められており、破産ですと、5年から10年です。
 
そうしますと、破産をすれば5年〜10年の間は破産したという情報が登録され、クレジットカードを作ったり新たな借金はできません。しかし、それ以上に、破産した方だけが掲載された特別なリストに掲載されたり子供まで将来掲載されたりするわけではありません。
 
なお、平成16年の破産法改正前は、破産者の本籍地の市区町村役場に、裁判所から破産宣告の通知がなされ、市区町村にて「破産者名簿」が作成されていましたが、現在は、破産事件でも極稀なケース(破産の免責不許可決定が確定した場合など)しか、通知がされないようになりました(平成16.11.30 民三第113号 最高裁民事局長通達)。万一「破産者名簿」に掲載されても、この名簿は一般には公開されません。
 
以上のようなことから、破産には一定の不利益がありますが、破産にかかる情報について過度に神経質になることなく、生活の再建に向けて最も適切な手段を取ればよいと考えますきらきら
 
湘南茅ヶ崎法律事務所では、自己破産についてのご相談ご依頼も承っております四葉のクローバー

 

スモーキングガンーその証拠力

  • 2014.05.02 Friday
  • 10:22
香取慎吾さん主演のドラマ『スモーキングガン』が始まっていますき

スモーキングガンとは、銃から立ちのぼる硝煙が発射の証拠となることから、「動かぬ証拠」や「確証」といった意味で使われる言葉ですね。
ドラマのサブタイトルも「決定的証拠」です。
確かに銃殺現場で、硝煙の立ちのぼる銃を所持していれば、殺害の重大な「証拠」となります。


「スモーキングガン」は、実際の裁判では、どのように位置づけられ、どんなことが問題となるのでしょうか。

指裁判上の証拠には、「直接証拠」と「間接証拠(状況証拠)」があります。
「直接証拠」とは、証拠によって証明しようとする事実(要証事実)を直接的に立証しようとする証拠です。
「拳銃を被害者に向けて撃ったのを見た!」というような犯罪現場の目撃証言などがこれにあたります。
間接証拠とは、要証事実を推認させる間接事実の証拠です。
「硝煙の立ちのぼる拳銃を持っていた」という事実は間接事実にあたり、それを見たという証言が「間接証拠」となります。
スモーキングガンは、間接証拠すなわち状況証拠にあたるわけです。

間接証拠の場合、要証事実を
どの程度立証するものであるかを、よく吟味しなければなりません。
これを証拠の証拠力とか証拠価値といいます。
スモーキングガンの場合、硝煙が立ち上る時間は短時間かと思いますので、まさに犯罪現場でそれを持っていれば、かなり証拠力は高くなるわけですが、その立ち位置や立っていた時の様子なども合わせて吟味されます。
 
そして、証言が本当にそのとおりかどうかは、「証拠の信用性」の問題です。
スモーキングガンを持っていたのが本当にその人だったのか、目撃者との距離、暗さ、何かの理由で嘘の証言をしている可能性がないか、などなど
四葉のクローバー
この「証拠力」と「証拠の信用性」が裁判の焦点になることが多いです。
 
実際の裁判を検討するにあたっては、今手にしている証拠が、何を証明しようとするものであって、どの程度の証拠力があるのかをよく見極める必要があります。
ただ、これらを自己診断してしまう前に、弁護士にご相談頂ければ!と思います。

ペットをめぐる法律について

  • 2014.04.15 Tuesday
  • 10:57

茅ヶ崎は海も近く、ワンちゃんを飼っておられる家庭も多いですよね リラックマVer.2

飼い主としてはもちろん、自分の飼い犬や飼い猫が他人に迷惑をかけることなど望んいないのですが、
ポイント万一、飼い犬や飼い猫が他人に怪我をさせてしまった場合、司法の世界ではどのように判断されるのでしょうか。

 

民法では、原則として飼い主(又は管理者)が責任を負うけれども、動物の飼育等について、相当の注意義務を尽くしていた、といえる場合には責任を免れる、と定められています(民法718条)。

ここで注意しなければならないのが、相当の注意義務を尽くしたことを、動物の飼い主側で立証しなければならない、ということです汗

 

一般に、他人の権利や利益を侵害した場合に負う損害賠償責任においては、賠償請求する方、つまりケガなどをさせられた方が、相手に過失があったことを立証しなければなりません。しかし、動物の飼い主の場合、飼い主側が「相当の注意を尽くしていた」ことを立証しなければならないのです。

 

そして、実際の裁判では、飼い主側が「相当の注意義務を尽くしていた」と認められるのは非常に難しく、無過失責任に近い、とも言われていますDocomo_kao17

例えば、犬が飼い主を振り切って他人に飛びつき、転ばせ、ケガをさせてしまったような場合、「首輪も付けていましたが、突然のことで押さえきれませんでした。不可抗力です_| ̄|○」と主張したところで「相当の注意義務を尽くしていた」とは認められない、というわけです。

 

指ただし、だからといって、相手の請求する金額全てを支払わなければならない、ということにはなりません。

相手が法外な請求をしたとしても、法律的に認められる範囲は限定されています。

また、損害の発生について相手にも要因がある場合、「過失相殺」(民法722条2項)の考え方に基づき、減額されます。例えば、相手の過失(犬を挑発した等)や相手の身体的特徴が加わって怪我に至った場合などは、その寄与度の割合(2割、4割など)が認定され、その分全体の損害額から減額されます。

証拠の保存について

  • 2014.01.29 Wednesday
  • 10:00
 
証拠の保存について少しお話しします。
裁判や法的手続についての情報もお持ちの方が多いので、
皆様、「訴えたりお金を請求したりするには証拠が必要」
という認識をお持ちです。
最近多い、不倫や職場でのパワラハ・セクハラにより慰謝料を請求する場合にも、
しっかりとした証拠が必要です。
 
ここで気を付けて頂きたいのが、証拠の保存です。
せっかく証拠を確保したのに、なくしてしまうのでは元も子もありません。
無くさないよう、相手に見つからないよう、保存するのは無論、
二重の手段によって保存して頂きたいのです。
例えば、スマホで受信したメールが重要な証拠になる場合、
そのスマホを大事にとっておくだけでなく、
メールをパソコンに転送してパソコンでもデータを保存しておいたり、
メールをプリントアウトして紙ベースでも
保存しておくことをおすすめします。

スマホは壊れたり、何かの拍子にデータが削除されたりすることもあるからです。
同じように、写真もデジカメやスマホで撮影しておくだけでなく、
二重に保存すると安心ですね。
また、ICレコーダーで音声を録音した場合も録音データを
ICレコーダーそのものとは別に保存すると二重の保存ができます。
 
証拠の有無で交渉や裁判の帰趨は違ってきます。
何が証拠になるかならないかについては、
自己診断してしまうのではなく個別にご相談下さい。